うい過払い金|被告日本赤十字社及び被告Cは,原告に対し,連帯して,200万円及び

過払い金の被告日本赤十字社及び被告Cで生じたものについて はこれを5分し,その2を被告日本赤十字社及び被告Cの,その3を原告の負担 とし,原告と被告有限責任中間法人日本造血細胞移植学会との間でで生じたものは 原告の負担とする。
被告
日赤
病院


病院を開設している団体である。
ウ被告Cは,被告病院医師であり,B及びAの主治医であった。
エ被告学会は,同種末梢血幹細胞移植につき,同種末梢血幹細胞移植のため の健常人ドナーからの末梢血幹細胞の動員・採取に関するガイドライン(平 成12年4月1日公表,同年7月21日改訂第2版。
以下「本件ガイドライ ン」という。)を発表しているほか,ドナーフォローアップ事業を展開して いる。
(2) 本件の経緯 アAは,7月10日,被告病院を受診し,血液検査等を受けた(被告日赤と の間で診療契約を締結したことは争いがないが,同時点における診療契約の 内容については争いがある。)。
イ被告Cは,8月28日,同種末梢血幹細胞ドナー登録センターに対し,A に係るドナー登録申請書を送付した。
ウAは,9月6日,被告病院に入院し,血液検査を受け,顆粒球コロニー刺 激因子(G−CSF)製剤の投薬を受けた。
エAは,9月10日及び同月11日,末梢血幹細胞を採取された。
オAは,9月12日,被告病院を退院した。
カAは,平成14年12月1日,急性骨髄性白血病により死亡した。
原告は, Aの上記損害賠償請求権を相続した。
(3) 被告学会は,本件につき,有害事象報告例として学会内で発表し,ニュー ズレターないし被告学会の開設するホームページで発表したが,その内容は, 別紙「有害事象例報告記事」のとおりである。
第3 争点及び争点に対する当事者の主張 1 7月10日以降の被告Cの説明内容 当事者の主張は,別紙診療経過一覧表のとおりである(原告の主張は,「詳細 に対する原告の認否」及び「詳細に対する原告の主張」欄,被告日赤及び被告C (以下,併せて「被告Cら」という。)の主張は,「診療経過」「検査・処置」 「備考」及び「詳細」欄のとおりである。)。
2 過失又は注意義務違反 (1) 被告Cの過失又は注意義務違反 アガイドライン遵守義務違反 (原告の主張) 本件で行われた医療行為は,疾病の治療を目的とする場合と異なり,健常 者に薬剤を投与し,身体への侵襲行為を伴い,しかも中長期の安全性が確立 されていない施術行為であるところ,本件ガイドラインは,安全・適切に同 種末梢血幹細胞採取を行うために作成されたものであるから,実施施設の主 治医としては,本件ガイドラインを遵守すべき義務があり,これを遵守しな かった場合には,ドナーとの関係においても,注意義務違反となるというべ きである。
本件では,以下のガイドライン違反事実が存在する。


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(ア) 本件ガイドラインでは,ドナーの安全確保の見地から,ドナーの主治 医は,レシピエント(移植を受ける患者)の主治医の兼務を禁止されてい る。
ところが,被告Cは,ドナーとレシピエントの両方の主治医を兼ねて いた。
また,本件ガイドラインでは,ドナー登録に際し,文書による同意が必 要とされていたにもかかわらず,被告Cは,これを得ていなかった。
(イ) 本件ガイドラインでは,移植後4週間以内は,全例について短期フォ ローアップを行い,アフェレーシス実施後,翌日,1週間後,4週間後に 血液検査を含めたフォローアップを行うべきとされている。
ところが,被告Cは,これらのフォローアップの実施を怠った。
(被告Cらの主張) 本件ガイドラインは,平成12年4月1日に公表され,同月ころ,同種末 梢血幹細胞移植の健康保険適用が承認されたところであり,同種骨髄移植の 代替法として,積極的な臨床応用が進んで間もないころのものである。
本件ガイドラインは,健常な血縁ドナーから,移植後の生着に必要な十分 量の末梢血幹細胞を安全に採取するために,G−CSF投与による末梢血幹 細胞の動員及びアフェレーシスによる末梢血幹細胞採取に関する基準をガイ ドラインとして示したものである。
本件ガイドラインは,あくまで基準を指 針として示したものであり,会員を規制するものではない。
また,G−CS Fによる末梢血幹細胞動員やアフェレーシスによる末梢血幹細胞採取の具体 的な作業基準(マニュアル)については,各施設で作業基準書を作成するこ とを推奨するとされていた。
本件は,平成13年の出来事であり,本件ガイドラインの内容は,臨床医 学における普遍的な医療水準には到底達していなかった時期のものである。
したがって,これを遵守しなかったことが直ちに注意義務違反となるはずは ない。
(ア) ドナーとレシピエントの主治医の兼務は禁止されていないし,被告C は,入院診療計画書に本人の自署による同意を得ている。
(イ) 被告Cは,7月10日,Aに対し,G−CSF投与後,何か月ないし 何年も経過しての合併症の報告は聞いていないが,年1回の定期検査(血 液検査)の制度がある旨説明しており(もっとも,フォローアップ制度と いう言葉は使用していない。),これに対し,Aは,「それはいいで す。」と言って,拒否したのであるから,被告Cには,原告主張の注意義 務違反はない。
イ説明義務違反(本件ガイドラインを遵守した上での説明義務違反も含 む。) (原告の主張) (ア)a Aは,7月10日,被告日赤との間で,移植についての説明を受け ることを目的とする診療契約を締結した。
したがって,被告Cは,Aに対し,ドナー候補者としてドナーとなる ことを決定するについて必要な情報の提供を行うべき義務がある。
そして,Aから採取される末梢血幹細胞は,G−CSFを投与し,血 液中の血幹細胞を人為的に増加させた上で血液中から採取されるもので あり,しかも,G−CSF使用後の中期及び長期の安全性は確認されて おらず,本件ガイドラインによれば,末梢血幹細胞の採取の実施に際し, 十分な説明を行うことが求められている。


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後記
後記ガイドライン遵守に関する監視義務違反があるとして,Aの相 続人である原告が,被告Cに対しては不法行為に基づき,被告日赤に対しては, 選択的に,診療契約上の債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき,被告 学会に対しては不法行為(使用者責任)に基づき,連帯して,損害賠償金500 万円及びこれに対する不法行為の日の後である平成14年12月1日から支払済 みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,さらに,被告学 会がAの症例報告につき虚偽の学会発表をしながらその訂正に応じなかったこと により原告に精神的苦痛を与えたとして,原告が被告学会に対し,不法行為に基 づき,損害賠償金100万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成1 8年6月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金及び 名誉毀損における原状回復請求権(民法723条)に基づき,学会発表内容の訂 正を求めた事案である。なお,以下においては平成13年の出来事については, 平成13年の記載を省略する。 2 前提事実 (1) 当事者 アA(昭和14年2月13日生)は,多発性骨髄腫に罹患していた実弟のB のために,同種末梢血幹細胞移植のドナーとなろうとした者であり,原告は, Aの夫である。